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闘うプログラマーが再刊

闘うプログラマーという本。マイクロソフトのWindows NT開発のドキュメンタリーです。僕はこの本が最初に発売されたとき(1994年だったようです)に読みました。とてつもなく面白くわくわくしながら一気 に読んだ覚えがあります。ソフトウェア開発の現場の雰囲気もよくわかりますし,Windows NT開発の舞台裏の話も楽しめますが,単に物語として楽しめます。主人公のカトラーを始め,登場人物のキャラが立っていてドキュメンタリーというより小説 を読んでいるようなのです。

僕は,最近この本を読み直したいと思ったのですが,以前に買った本はどこにやってしまったのか見つからず,買い直そうと思ったら絶版になってしまっていました。その本が,今回新装版として再刊されました。早速購入して再読することにしました。

この本の解説の全文が,成毛さんのブログにあります。これを読んで頂ければ参考になると思いますが,ここでは本書の序章の一部を引用して,この本の魅力を感じていただこうと思います。

デビッド・N・カトラーが,リーボックの白いシューズと白いパンツをはき,「通信中」という文字のはいったTシャツを着て,ビルド・ラボに飛び込んできた。史上最大の,そしてもっとも複雑なパソコン・ソフトウェアの開発の状況を確認するためだ。
(略)
カトラーはしかめ面で回転いすに座り,目の前のコンピューターの画面を見つめていた。いくつかキーをたたき,不満の声をもらした。
(略)
数分後,カトラーが,さっきより怒りながらビルド・ラボに戻ってきた。がに股の歩き方とたくましい腕は,ポパイを思わせる。「おまえら,午前中いっぱいか かって,これぐらいのこともできないのか」とどなったあと,すこし低い声で,ボール遊びをしていた男に向かって,「今日中にビルドが終わったら,おれを呼 べ」と言った。

おそろしげな鬼軍曹カトラーのイメージがおわかりになるだろうか。序章の最後は次のように結ばれる。

カトラーが最初にウィンドウズNTを計画したとき,完成までの道はおぼろげにしかみえていなかった。最も複雑なパソコン・ソフトウェアを作るうち に,カトラーとその忠実な部下は,デジタルの荒野にはまりこんでいった。この冒険から二度と抜け出せないのではないかと思われた時もあった。途中で道に 迷った者もいた。人生に未知の領域へと踏み込んでいった者もいた。最後には,優れた作品は愛情と暴力によって創造されるのだと思った。
これは,そんな人々の物語である。

どうです?読んでみたくなったでしょ?

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